第5章:66後期という完成形 均質化が生んだ美しい色落ち

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どーも、捌零式です。ハロにちわ。
今回は501の中でも評価が割れやすい存在、66後期について書いていきます。

66前期と比べると66後期は少し軽く扱われがち。
でも個人的には、この66後期こそがLevi’s 501というプロダクトの完成形の一つだと思っています。

荒々しさやロマンという意味ではBIG Eや66前期に軍配が上がる。
一方で、製品としての完成度、美しさ、安定感という観点では、66後期は非常にレベルが高い。

この章では、66後期がどのような背景で生まれ、
なぜ均質化が進み、なぜ色落ちが美しくなり、
そしてなぜ評価が分かれるのかを整理していきます。


66後期とはどの時代の501なのか

一般的に66後期と呼ばれるのは、1970年代半ばから後半にかけて製造された501を指します。

66前期から後期への移行は、ある日突然切り替わったわけではなく、
徐々にディテールと製造思想が変化していった結果です。

そのため、66前期と66後期の境界線は曖昧で、
個体によっては前期と後期の特徴を併せ持つものも存在します。

ただし全体として見ると、66後期には明確な傾向があります。

  • 生地の安定化
  • 縫製の均一化
  • 色落ちの再現性の高さ
  • 個体差の縮小

これらはすべて、量産体制が成熟した結果として現れた特徴です。


均質化が本格的に完成した時代

66後期を語るうえで避けて通れないキーワードが均質化です。

ここで言う均質化とは、悪い意味での画一化ではなく、
製造工程が安定し、狙った品質を高い確率で再現できる状態を指します。

BIG Eや66前期では、
同じ品番でも生地の表情、色味、テンションに大きなばらつきがありました。

一方、66後期になると、

  • 染色ロットの管理が厳密になる
  • 織機の調整精度が向上する
  • 糸の品質が安定する
  • 裁断と縫製のブレが減る

こうした要素が積み重なり、
個体差は確実に小さくなっていきます。

これはヴィンテージ好きにとっては賛否が分かれるポイントですが、
製品として見れば間違いなく進化です。


生地と染色の変化

66後期の生地は、前期と比べると明らかに安定しています。

糸の太さ、撚り、織り密度が一定に保たれ、
デニム全体の表情が整っている。

この結果、穿き始めの段階では少し大人しく感じるかもしれません。

しかし、この安定感こそが、
後に語られる美しい縦落ちにつながっていきます。

染色についても、
ロープ染色の管理がより厳格になり、
インディゴの濃度が均一化されていきます。

これにより、

  • 全体が同じトーンで色落ちする
  • ヒゲやハチノスが綺麗に出る
  • 狙ったエイジングが再現しやすい

という現行デニムに通ずる特徴が生まれます。


縫製の安定とその影響

66後期では縫製工程もさらに整理されます。

縫製者の個人差はライン工程によって吸収され、
ステッチ幅、テンション、運針数が揃っていきます。

その結果、

  • ポケット位置が安定する
  • 左右差が減る
  • 全体のシルエットが整う

穿いたときの収まりが良く、
スタイリングしやすいのも66後期の特徴です。

ここをつまらないと感じるか、
完成度が高いと感じるかで評価が分かれます。


なぜ66後期は軽視されがちなのか

66後期は不当に評価が低いと感じることがあります。

理由はいくつか考えられます。

  • 個体差が少なく語りづらい
  • 価格的にBIG Eより下に見られがち
  • 荒さやロマンを求める層に刺さりにくい

しかし、それは66後期の価値が低いという意味ではありません。

むしろ、完成度が高すぎて物語が見えにくいだけです。

製造現場の努力が、
綺麗に消化されてしまった結果とも言えます。


66後期は今こそ面白い

現代のデニム市場を見渡すと、
極端な加工や過剰な演出が溢れています。

そんな中で、66後期の自然な色落ちはとても新鮮に映る。

狙いすぎていない。
でも確実に美しい。

これは量産体制の成熟期だからこそ到達できたバランスです。

派手さはないけれど、
長く付き合える一本。

年齢を重ねるほど、66後期の良さが分かってくる。
そう感じる人も多いはずです。


捌零式的まとめ

66後期は、
ロマンよりも完成度、
荒さよりも美しさを選んだ時代の501です。

個体差は少ない。
でも、その分、製品としての質は高い。

BIG Eや66前期を否定するものではなく、
その延長線上にある一つの到達点。

だからこそ、66後期を軽く扱わず、
きちんと向き合ってみると面白い。

次章では、さらに時代が進み、
オレンジタブや70年代の501について触れていきます。

それではまた、次章でお会いしましょう。

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